まだまだ続く京都地獄めぐり。
千本ゑんま堂(引接寺)の次に向かう地獄と言えばもうここしかない!ってくらい地獄好きのアレな人達にとって外せないお寺があります。
京都市東山区大和大路通にあるそのお寺は六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)
なんとこの六道珍皇寺には、平安時代に昼は朝廷・夜は地獄で働いていた小野篁があの世とこの世を行き来するのに使った井戸があるのです。
安倍総理は土管でリオへ行ったし、平安も平成も日本人の根本は揺るがない。
あの世とこの世の境目 六道珍皇寺
千本ゑんま堂までの道中はあんなに心細かったのに、河原町や祇園から近いっていうだけで安心感がすごい。
石碑に書かれている六道の辻には、『6つの世界へ通じる道の分かれる所』という意味があるそうです。
つまり、この場所を境にこっちがこの世、あっちはあの世。
ジャンプで国境を越えて『ついに20ヵ国目~!!イエーイ!!』とかやると輪廻転生が始まっちゃいそうなので、ゆっくり静かに門をくぐります。
人生2回目~!!イエーイ!
黒のカリスマ・I am 小野篁!!
入って右手側の建物の中には小野篁作の閻魔像と、江戸時代頃に作られた小野篁の像が祀られています。
小野篁像の左右には地蔵菩薩の侍者である善童子と悪童子の像が並んでいました。
地獄の裁判で、閻魔大王は司命尊・司録尊という2人の侍者を従えています。
そして、閻魔大王の正体は地蔵菩薩であるとされています。
- 善童子と悪童子を引き連れた小野篁≒地蔵菩薩
- 地蔵菩薩=閻魔大王
ということで、小野篁は閻魔大王に仕えていたのではなく、閻魔大王と同格の仕事をしていたんじゃないか?と考える人もいたようです。
閻魔大王の判決にガッツリ口出しして2人を救ったエピソードまで残っています。
まず1人目は紫式部。
創作の物語を書き、
嘘をついた罪で地獄行きになりました
フィクションを嘘というのは野暮。
無罪!
小野篁自身、和歌が百人一首の一つに選ばれる程の文化人です。
作家の紫式部を救うのは、まあまだ文化功労賞的な公務に則ってる感があります。
問題なのが2人目の藤原良相。
病死しました
お世話になった先輩なんで
生き返らせます!
自分の罪をかばってくれたことがあるというとても個人的な理由で生き返らせちゃう。
そして生き返った藤原良相は当然、あの世での出来事をガンガン言いふらします。
閻魔大王に仕える小野篁をこの目で見た!
普通こんなこと言い回っている人がいたら、『藤原さん、病で倒れてからちょっとアレよねぇ』とヒソヒソされそうなもんですが、意外にも人々は藤原良相を信じます。
というのも、小野篁はあらゆる才能と破天荒すぎる性格の持ち主でした。
遣唐使にブチ切れて任務を放棄したり、その不満を詩にして発表したりとやりたい放題で、ついたあだ名は野狂。
ついに隠岐へ島流しになり、誰もが『さすがにアイツも終わりだな』と思ったのも束の間、2年で許されてあっさり京へ戻ってきます。
更にダメ押しで、当時の男性の平均身長が160㎝前後だった中で小野篁は186㎝あったといわれています。
ちょうどMr.オクレ(160㎝)と蝶野正洋(186㎝)
そこに藤原良相の噂まで加わり、ガッデム小野伝説が爆誕。
小野篁は地獄で閻魔大王に仕えているに違いないと、人々は確信するのでした。
井戸を通ると地獄なシステム
そんな小野篁が夜な夜な通ったあの世へ繋がる冥土通いの井戸がこちら。
井戸を間近で見られるのは特別公開の期間だけでした。
繋がってる場所が場所だしね。
特別拝観の日程は公式ホームページで確認できます。
六道珍皇寺 行事
ちなみに、この冥土通いの井戸は行き専用。
この世へ戻るには黄泉がえりの井戸を通るシステムです。
境内のどこかにあるはずなのですが、見つけることができませんでした。
来るきっと来る!六道珍皇寺の迎え鐘
お盆には千本ゑんま堂引接寺と同じくお精霊迎え(六道まいり)の行事が行われます。
あの世から精霊を迎える迎え鐘は普通の鐘とは少し違い、撞くのではなく綱を引いて音を鳴らします。
その音は冥土にまで届き、鐘の響きに応じて亡者がこの世へ戻ってくるそうです
。
あの世にまで響く音とは一体どんな音なんだろう。
でも、鳴らすと来ちゃうしな。
いざとなればきっと住職さんが飛んできて、シャッシャって指で五芒星をきるアレとかやってくれるはず。
不安と期待を込めて引いてみたけど、結構思いっきり引っ張らないと鳴らないみたいです。
最後に御朱印を頂きたかったのですが、まだ拝観時間のはずなのに本堂は閉まっていました。
インターホンを押してみたけど誰も出てきてくれない。
さっきから小野篁所縁のお寺で待ちぼうけ率100%。
留守なのかと諦めて帰ろうとした時、家族連れがやって来てインターホンを押しました。
『私も鳴らしたんですけど、誰も出ないんですよ』
『そうなんですか?いないんですかね?』
そんなやりとりをしている内に、ふと迎え鐘を鳴らしたことを思い出す。
いや、鳴ってなかったけどね。
それでも鳴らそうという意思を持って紐を引いた時点で鳴らしたことには変わりないわけで。
急に挙動不審になる私を気にも留めず、家族連れがもう一度押してくれたインターホンで住職さん登場。
本堂に上がらせてもらい、無事に御朱印を頂くことができました。
六道珍皇寺の御朱印
〒605-0811
京都府京都市東山区 大和大路通四条下る四丁目小松町595
拝観時間
9時00分~16時30分
拝観料
無料
特別拝観
大人500円
中学生300円
小学生200円
駐車場
3台
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