仏教の聖地『高野山』の不思議な言い伝え3選
高野山奥の院には不思議な言い伝えがたくさんあります。
その中でも、個人的に特に印象的だった3つの言い伝えをご紹介したいと思います。
願いが叶う『みろく石』
それは御廟の橋を渡った先にあります。
橋を渡った先は飲食・喫煙はもちろんのこと、写真撮影すら禁止されている聖域中の聖域。
その聖域内の格子状の柵が取り付けられた小さな御堂の中に『みろく石』と呼ばれる大きめの石が一つ置いてあります。
御堂の中は二段の階段状になっていて、柵に一カ所だけ開いている穴から片腕を入れ、願い事を祈りながら下段から上段へみろく石を持ち上げることができれば願いが叶うと言われています。
めでたく持ち上げることができたら、柵の隙間から備え付けの木の棒を差しこみ、石をガンガン突いて次の人の為に上段から下段へ落としておきます。
この一連の動作、知らない人が見たらどう見ても賊。
不思議そうに見ている外国人観光客にとんでもない誤解をされてるんじゃないかと思ってハラハラしました。
このみろく石は、これまでの行いが良い人は石を軽く感じ、悪い人は重く感じるそうです。
日頃の行いの良さには自信がある私ですがめちゃくちゃ重かったです。
女性であれを持ち上げられるのなんて吉田沙保里くらいしかいないんじゃないの?
奥の院・弘法大師御廟の秘密
高野山で最も神聖な聖域中の聖域が弘法大師御廟。
835年に弘法大師空海が入定した祠です。
入定とは究極の修行の1つで、仏になるため生きながら永遠の瞑想に入ること。
この御廟の中で弘法大師は現在も修行を続けていると信じられていて、1200年間欠かすことなく毎日2回の食事が運ばれています。
食事を運ぶのは維那という役職のお坊さんのみ。
つまり、この維那さんだけが御廟の中に居る弘法大師の姿を見る事ができるわけですが、中の様子を口外した人は1200年もの間で誰一人としていないそうです。
そもそも噂好きな奴は選ばれないっていうのもあると思いますが、『そいつがルパンだ!』っていうあのパターンの可能性も捨てきれなくないですか?どうですか?
シャレにならん!姿見の井戸と覚鑁坂
それは御朱印所でのできごと。
ところで、姿見の井戸は覗きましたか?
お坊さんに聞かれて地図を見てみると、参道の中間にあたる中の橋の近くにその名前を見つけました。
私たちは裏参道から表参道へカットインしてここまで来たので、その場所はこれから通ります。
そうですか。
もし覗くなら気をつけて・・・
やけに意味深なことを言うお坊さん。 え、怖い。なんで?いったい何なの?
質問責めする私たちに、お坊さんはゆっくりと答えます。
『姿見の井戸を覗いて、もし自分の姿が水面に映らなければ・・・』
一拍溜めた後にニヤリと笑い
3年以内に寿命を迎えると言われています!
!!!
このお坊さん、語り口がジャングルクルーズのベテラン船長くらい手馴れている。
しかも、これで終わりではありません。
『井戸に姿が映っても、それで安心しないでくださいね。』
覚鑁坂で転ぶと・・・
こっちも3年以内に寿命です
!!!
まさかの二段構え。天翔ける龍の牙をかわしたところで吹き荒れる風に体の自由を奪われ爪によって引き裂かれる
あの奥義のやつ。
場所が場所だけに寿命系はシャレですまないんですけど!?
問題の姿見の井戸がこちら。
恐ろしい言い伝えが残るこの場所には、「映った!」と誰かが言えば他人同士でも一緒に喜び合う優しい世界が広がっていました。
参道のあちこちに居るお地蔵さん探しに夢中になっているうちに、覚鑁坂も無事に通り過ぎていました。
よそ見して歩いていたら危ないということで『転んだら寿命』の言い伝えができたのだと思います。(思いたい)
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