みなさんはお墓にどんなイメージを持っていますか?
暗い・怖い・悲しい
絶対そうじゃん?みんなそうでしょ?
それがまさか、たった1日で印象を覆される日が来るなんて思ってもみませんでした。
そこはまるでお墓のテーマパーク
和歌山県高野山は弘法大師によって開かれた日本仏教の聖地です。
標高800mの山上盆地に広大な宗教都市が築かれ、山内には117の寺院が点在します。
高野山真言宗総本山金剛峯寺
普通、お寺といえば一つの建造物を思い浮かべ、その敷地内を境内といいますが、高野山は「一山境内地」と称し、高野山の至る所がお寺の境内地であり、高野山全体がお寺なのです。
敷地内は区画ごとに呼び分けられ、それぞれに代表的な施設や見どころが存在するディズニーランド理論。
この理論に則ると、シンデレラ城に値する弘法大師御廟があるのが奥の院エリア。
弘法大師御廟では、835年に入定した弘法大師・空海が現在も生きたまま瞑想を続けているとされています。
ということで、奥の院には20万基を超える墓石・祈念碑・慰霊碑が1.6㎞に渡って立ち並んでいます。
その中には戦国武将・歴史上の有名人・大手企業など、誰でも聞いたことがあるビッグネームが名を連ねているのです。
不謹慎!?墓地でハッシュタグ
高野山奥の院に入るには2つのルートがあります。
- 一の橋から入る表参道
- 中の橋から入る裏参道
奥の院への正式な入口は一の橋から入る表参道の方。
弘法大師・空海の魂が一の橋で参拝者を迎えてくれるという言い伝えがあり、一の橋の前で一礼してから入るのが正しい参拝方法なのだそうです。
でも今回は中の橋から入りました。
駐車場が目の前だったからつい・・・。
灯篭が並ぶ参道を歩いていくと、いきなり目に飛び込んできたロケット型のお墓。
暗くて怖いお墓のイメージが一気に大気圏の彼方へ。
次に現れたのがシロアリの慰霊碑。
シロアリだって一つの命。
人間の勝手な都合で駆除された命を弔うのはむしろ当然とも言えるはずなのですが、ちょっと気持ちが追い付かない。
こんな時どんな顔をすればいいのかわからない。
ただでさえ墓地、しかも仏教の聖地中の聖地ということで身の振り方に迷う。
目を引く墓石を写真に撮りたい気持ちはあるけれど、バチは当たりたくないじゃないですか。
あとからググってみると、ここ裏参道で多く見られる企業墓はもちろん慰霊の為に建てられているんですが広告としての役割もあるそうです。
節度ある態度での撮影ならバチは当たらないと思い込むことにする。
『あ!ヤクルト!』
『こっちはコーヒーカップ!』
そこかしこで上がる歓声。
なんか既視感あるなと思ったら、これは完全にジャングルクルーズの時のやつ。
何ヶ月か後に行くと前には無かった企業墓が建っていたりするので、『一回行ったからもういいや』とか思ってはいけない。
究極の背徳感!?お墓に落書き
珍しい形の墓石や慰霊碑の中でも、ひときわ異彩を放っているのがこの楽書塚。
普通、墓地では小石ひとつ勝手に動かすのも憚られますが、楽書=落書き。
なんと、ノート型の石碑に落書きOKなんです!
史跡や遺跡に落書きしたがる奴というのはいつの時代にも存在し、それはこの高野山も例外ではなかったようです。
じゃあ、逆に落書きできる場所を作ってしまえばいいんじゃん。ということで、柳家金語楼さんという落語家が突起人となり昭和43年建てられたのだとか。
本来はマジックで書いたりシールを貼るのはダメで、近くに落ちている石の尖った部分を使って落書きするそうです。
楽書塚から奥へ進むと、皇族や戦国武将の墓所もある表参道へ合流できます。
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